アトリエを訪ねて下さった方々が
『抽象って?』と
お話される方が多いように感じますので簡単に。
抽象絵画のことは取り敢えず、海外の
20世紀の作家の作品変遷をみるのが
わかりやすいかもしれません。
ところで色や形を
目に見える世界の再現のためではなく、
抽象的な世界を追求するようになるのは
第一次世界大戦の直前といわれ、
イギリスの評論家 ウォルター•ペイターの
『あらゆる芸術は
常に音楽の状態にあこがれる。』
という言葉は有名ですね。
純粋な色彩とフォルムからなる抽象は
印象主義のモネの晩年の作品が
抽象化へのきっかけとなり、
20世紀の絵画において、抽象絵画の展開は
最大の革新といわれています。
その先駆としてブラックやピカソの
《分析的キュビズム》の登場や、
(分析的キュビズムとは
対象を様々な視点からとらえた
複数の視覚像を一つの画面に描いたり、
そのような視覚像を
単純化した形態により、
画面を再構築しての表現のこと。)
ドイツ表現主義の青騎士などから
幾何学的な抽象絵画への
多様な展開となりました。
熱い抽象ーロマン主義的•表現主義的と言われた
自然を着想源として 抽象絵画へと展開していった
クレーは
(クレーの作品は単なる色彩構成ではなく、
哲学であり、風であり•••。と言われ、
人気がありますが)
《オルフィスム》をもっともよく実現したとされる
ドローネの作品を
『それ自身で充足した絵画を想像することにより、
単純なやり方でキュビズムの疑問を解決した』と
記録しています。
また熱い抽象といわれた
ワシリー•カンディンスキーは抽象絵画の父と言われ、
抽象の出発とされる1910年頃の復活と
終末をテーマとした
《コンポジション》の作品は
自らの解釈に忠実に描かれ、
均衡のとれた画面で、完全抽象です。
またヒューストン、ロスコチャペルの連作が
代表作である抽象表現主義のマーク•ロスコは
色面絵画へと導きました。
モンドリアンの
純幾何学的•主知主義的ムーブマンは
レイヨニスム、ロシアのアバンギャルドへと。
そして
描く行為の痕跡を問題とした
アクションペインティングのポロック、
また絵画の根源を提示しようとした
ミニマルアート他、多様に発展していきます。


抽象を目的とするものではなく、よりよく
自らのものとすることと考え、制作しています。
〖《宙》ときのなかで 〗小山 玲子
紙 • アクリル
http://reikoartroom.com/
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