デフォルメって? とのご質問がありますので簡単に。
デフォルメは
本来のフランス語では誇張や簡略化の
意味はなく、力学などの『変形』という
意味とのことですが、
日本では
造形で構成上や主観的感覚の強調も含め、
また単純化も含めて変形することを言うようです。
そしてあくまでも作家の美の反映として
意図した造形表現のみをデフォルメといいます。
16Cにはマニエリスムといわれる
均衡美をこわす絵画様式が流行し、
引きのばされた人物を
エル•グレコが描いてます。
ところでマティスの作品ですが
人物をはじめとして、
いろいろシンプルな造形は心ひかれます。
パリの壁画《ダンス》は素晴らしいですね。
マティスは1911年に、ロシアのイコンの
色彩と表現に感銘し《背中》の彫刻で1909〜1930年迄
4回にわたり単純化を試みています。
そして70歳代には「切り紙絵」という技法で制作しました。
長い時間をかけて創りあげた造形、素晴らしいですね。
また日本の江戸時代の浮世絵には
とてもシンプルで魅力的な線がたくさんありますし、
近代の日本の漫画やアニメのキャラクターは
デフォルメされたものが多いようですね。
紙や画材を変え、一つのものをいろいろな形で
デフォルメするのも楽しいですね。
《流星》(版画•厚地 富美子)
http://reiko-artroom.com/